「結婚相談所を介しての交際」には、守らなければならない独自のルールがあります。
このルールを破ってしまうと、結婚相談所を強制退会になったり、成婚前なのに成婚料を請求されたりといったトラブルに繋がりかねません。
今回は、うっかり見落としがちな「結婚相談所を使う際の交際ルール」についてお話しします。
通常の交際(恋愛)との違い
まずは、結婚相談所経由の交際と通常の交際(恋愛)の違いについて押さえておきましょう。
ここをおさえておくことで、何がOKで何がNGなのか大凡想定することができます。
結婚相談所経由の交際と通常の交際の違いは、次の通りです。
1.結婚相談所のサポートがある
通常の交際では、告白から交際、プロポーズ、結婚まですべてが当事者二人の間だけで行われています。
紹介や相談で友人等がサポートしてくれることがあったとしても、手助けの割合はごく僅かです。
それに対し、結婚相談所経由の交際の場合、お見合いや交際の申し込み、成婚に至るまで、すべて結婚相談所のサポートの元で行います。
さすがに婚活アドバイザーがデートにまでついてくることはありませんが、結婚相談所には交際の状況を伝える必要がありますし、その過程で相談に乗ってもらったり、仲を取り持ってもらったりもします。
つまり「結婚相談所を介しての交際は、結婚相談所への報告なしにはあり得ない」のです。
2.双方の目的が「結婚」である
通常の交際の場合、交際と結婚は必ずしもイコールではありません。
交際の結果として結婚することもありますが、交際が目的であり、結婚はあくまで選択肢のひとつに過ぎません。
対して結婚相談所経由の交際は結婚を前提としています。
結婚相手を探していて、その過程として交際があるのです。
そのため、結婚相談所経由での交際には期間が定められています。
3.お見合い前にお互いのデータがわかっている
通常の交際では、学歴や年収、家族構成、趣味などのデータは相手に明かされていません。
交際前に自分たちで伝えたり、伝えることなく交際が始まったりします。場合によっては職業も知らないケースもあるでしょう。
そのため、交際してみてから「意外と収入が少ない」「趣味が合わない」といったミスマッチが起こりやすいのです。
一方、結婚相談所はまずお互いの正確なデータを確認し、それを元にお見合いをするかを決めます。
年収など、面と向かっては聞きにくいようなことも最初からわかっています。
もちろんデータだけではわからないこともありますが、少なくとも“結婚相手として合わない相手”とマッチングする可能性は低くなっているのです。
結婚相談所での交際ルール
それでは、「結婚相談所経由での交際ルール」を交際の流れ順に見ていきましょう。
お見合い時のルール
お見合いは、結婚相談所の仲介でお互いが初めて顔を合わせる場です。
この時点では交際するかどうか決まっていません。交際につながるよう、次のようなルールを守りましょう。
01 遅刻しない
社会人としての大前提でもありますが…遅刻は厳禁です。
基本的には「約束の時間の10分前には会場についている」ようにしましょう。
02 お見合い時間は1時間以内
ついつい話が盛り上がってしまうこともあるかもしれませんが、初回はあくまでも顔合わせの場です。
どんなに長引いても1時間以内で終わらせるようにしましょう。
03 お支払いは男性側
お見合いの会場は結婚相談所によって異なりますが、ホテルのラウンジなどを使うのが一般的です。
その際、お支払いは基本的に男性が行います。女性が払いたいと言った際も、この場は男性が支払うようにしましょう。
なお、婚活アドバイザーが同席している場合、婚活アドバイザーの分の支払は場合によって異なります。
04 ボディタッチはしない
お見合いの段階では、交際するかどうかお互いに決めていない状態です。
この段階でボディタッチを行うのは失礼に当たります。
交際に進める可能性もかなり下がってしまいますので、この段階ではボディタッチや手つなぎなどは控えましょう。
05 交際に進むかを1日以内に連絡する
お見合い終了後、交際に進むかどうかを結婚相談所に連絡しますが、これはできればお見合い当日中、遅くとも1日以内に行いましょう。
結婚相談所を介しての婚活はとにかくスピードが勝負です。
また、交際の段階では複数の方とお付き合いしていても大丈夫ですので、その点も加味して考えましょう。
交際・真剣交際時のルール
お見合いでお互いの交際の意志が確認出来たら、まずは交際。交際を経て「この人と結婚したい」と思ったら、真剣交際に移ります。
ここからはデートもお互いの意思を尊重しながら行っていくことになりますが、結婚相談所ならではのルールもあります。
通常の交際と異なるルールは、次の3点です。
01 結婚相談所に常に報告をする
結婚相談所は結婚に向けて全力でサポートをしてくれると同時に、あなたの婚活がうまくいっているかをきちんと確認する役目もあります。
交際・真剣交際に進んだ場合、定期的に状況を婚活アドバイザーに報告・相談をしましょう。
上手くいっている場合も、つまづいたときも、とにかく婚活アドバイザーに話をしておくことが大切です。
02 交際期間をずるずる引き延ばさない
多くの結婚相談所で、交際・真剣交際には期間が設けられています。
結婚相談所は「婚活のための場所」であり、交際相手を見つける場所ではないのがその理由です。
焦る必要はありませんが、結婚の意思を決めずにただずるずると交際期間を延ばすのはやめましょう。
結婚相談所によっては、あまりにも交際期間が長引いた場合は成婚とみなすところもあります。
03 お断りは結婚相談所を経由する
交際・真剣交際を経てお別れを決めた場合、相手に直接伝えるのではなく、結婚相談所に伝えるのがルールです。
結婚相談所がお別れの連絡をすることにより、トラブルも予防できますし、スムーズに次のお相手探しに移ることができます。
少なくとも、別れたことを結婚相談所が把握していないというケースだけは絶対に避けてください。
これがNG!交際の注意点
通常の交際ではよくあることでも、結婚相談所経由の交際では明確に禁止されていることがいくつかあります。
この禁止事項を破ると強制退会になったり、違約金が発生したりする場合もありますので、気を付けてください。禁止事項は主に次の通りです。
1.お見合い時の連絡先交換
お見合いでどんなに意気投合したとしても、その場で連絡先の交換をしてはいけません。
電話番号はもちろん、LINEやメールもNGです。
必ず結婚相談所に交際の意思を伝え、結婚相談所から連絡先を受け取ってください。
結婚相談所は登録者の状況を把握しておく必要があります。
自分たちだけで話を進めてしまわないようにしましょう。
2.同棲
結婚前に同棲してみるというケースはよくありますが、結婚相談所経由での交際でこれはNGです。
結婚相談所では同棲は成婚とみなされることがほとんどであり、退会理由となります。
無断で同棲した場合は強制退会・違約金発生となりますので注意してください。
3.婚前交渉
ほとんどの結婚相談所では、婚前交渉(性交渉)を禁止しています。こちらも同棲と同様、成婚とみなされ、退会や成婚料の発生、場合によっては違約金の対象となります。
性交渉は同棲以上に通常の交際では“よくあること”なので、注意が必要です。
ちなみにキスや手つなぎ等は、結婚相談所によって扱いが異なりますので気になる方は事前に確認しておきましょう。
4.結婚の口約束
プロポーズ前の、いわゆる結婚の口約束は禁止されています。
二人は結婚相談所を介して出会ったのですから、結婚の意思は必ず結婚相談所に伝えるようにしてください。
もちろん、無断での結婚は言語道断です。
5.お断り後の連絡
交際や真剣交際に進んだものの、残念ながら結婚まで至らなかったというケースは良くあります。
お断りの連絡が来た場合、お相手の連絡先を削除するのがルールとなっています。
間違ってもその後に個別に連絡を取ろうとしてはいけません。結婚相談所は結婚相手を探す場所であり、うまくいかなかった場合は切り替えることが大事なのです。
窮屈に見えるルールは、安心できる婚活のため
ここまで読んで「なんだか窮屈だなぁ」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
外泊や婚前交渉など、通常の交際ではよくあることもNGですから、厳しいと思う気持ちもわかります。
しかし、結婚相談所はなにも意地悪がしたくてルールを作ったわけではありません。
これらのルールは全て「登録者が安心して婚活を進められるように」作られたもの。
婚前交渉をしたことによる妊娠や結婚の口約束、お断り後の接触などはトラブルの種となることも多く、登録者が辛い思いをしてしまう可能性もあります。
結婚相談所は「結婚」という人生の大きな決断の手伝いをする自覚と責任をもって運営しています。 様々なルールは、「安心して婚活をしてほしい」という想いの表れなのです。