マッチングサービス市場の拡大に連動してネット婚活も成長を遂げています。

2018年ネット婚活の市場は拡大

ネット婚活は今や結婚相談所や婚活パーティよりも注目度の高いサービスとなりました。2000年代前半頃からサービスは開始されていましたが、最初はネット上に個人情報を書き込む不安から人気は停滞。その後2013年ごろから一気に広まった背景にはスマートフォンの普及、大手企業の参入やセキュリティー体制の強化によりクリーンなイメージへと変化したことが挙げられ、ユーザー数を爆発的に増やしました。
2018年、ネット婚活の市場が近年急速に展開していることをデータから読み取ってみましょう。

マッチングサービスは急成長

以下は婚活関連サービスを提供する上場企業の業績推移になります。

株式会社IBJ(ブライダルネット、ユーブライド)
売り上げ 営業
2018年12月期 4,800百万円 660百万円
2017年12月期 4,420百万円 666百万円
株式会社ネットマーケティング(omiai)
売り上げ 営業
2018年6月期 11,209百万円 551百万円
2017年6月期 9,868百万円 441百万円
株式会社イグニス(with)
売り上げ 営業
2018年9月期 3,636百万円
951百万円
2017年 4,109百万円 123百万円
※うちwithの売上高は前年同四半期比110.0%増

マッチングサービス市場において2017年の規模は256億円に対し今年2018年には46%増の374億円に、2023年には852億円に達すると益々の市場拡大を期待できるでしょう。 またwithについて運営会社は以下のように答えています。

株式会社イグニスの社員

プロモーションによる新規流入だけでなく、口コミによる流入も増加傾向にあります。その結果、平成30年5月時点における会員数が100万人、マッチング数が770万組を突破し、サービスが順調に伸びております。当該サービスについては、引き続きユーザービリティの向上や精度の高いマッチングを実現する機能を継続的に投入していくことで、ユーザー満足度の高いサービスを目指してまいります。
※平成30年9月期第3半期決算短信より引用

もともとマッチングアプリは1995年にアメリカで誕生したMatch.comから展開したものです。日本でも携帯電話の普及により同じようなサービスが生まれましたが出会い系という悪いイメージが定着してしまい、長年そのイメージを払拭することが出来ませんでした。以後2013年ごろから急速に注目を集めたのはスマートフォンの登場とメッセージが送れてスワイプという手法で感覚的に相手を選べるユーザー目線で作られたデザイン設計が受け入れられた事でしょう。
今後さらに「ネット上で知り合う」ことが当たり前の世の中に変わっていくのだと予感させるデータ結果になりました。

自主規制基準のガイドラインが策定

一般社団法人 結婚・婚活応援プロジェクトのサイト

日本の未婚率上昇や出産率の低下を改善するため結婚支援サービスを取り扱う企業が連携して「一般社団法人 結婚・婚活応援プロジェクト」を設立しました。 その中からマッチングサービスを展開している7企業が協力し、ネット婚活をより安全に利用できるよう経済産業省・東京都・国民生活センターの意見の元「結婚相手紹介サービス業認証制度に関するガイドライン」を基準にした、サービスの運用に関する自主規制基準「MSPJ 7つの約束」を策定しました。

MSPJ話し合いの様子
参加企業 一覧
・株式会社イグニス
・株式会社エウレカ
・株式会社サイバーエージェント
・株式会社Diverse
・株式会社ネットマーケティング
・マッチアラーム株式会社
・株式会社リクルートマーケティング パートナーズ

これにより一層のサービスの向上と急成長を遂げた市場のニーズへの対応、少子化などの社会課題解決へ向けて一歩踏み出したようです。

7つの約束

MSPJ 7つの約束が定めた規則は以下になります。

(1)より強固な個人確認の徹底

私たちは、結婚を希望する男女に対して、安心で安全な出会いの機会の提供を目指します。そのために、利用希望者に対し、本人確認ルールを独自に設け、虚偽の氏名・プロフィール登録によるサービス利用の防止、目的外利用者の排除を徹底します。

(2)独身確認

私たちは、より多くの成婚カップルの誕生を応援します。そのために、既婚者のサービス利用を禁止します。ログイン方法や厳正な本人確認を通じて、独身者であることの確認を完了した人のみが利用できる運用を行います。

(3)ルール違反の監視

私たちは、カスタマーが常に安心して利用できる安全な場を提供するために、目的外利用者の発見や排除などの対応を常時行えるシステムを構築・提供します。

(4)ブラックリスト(即時退会ルール)の運用

私たちは、トラブルの最小化に取り組むことで利用者の安心・安全な環境を維持するよう最善を尽くします。そのために、悪質な利用者に対する即時退会ルールを設け、ルール違反が確認された場合、24時間以内のサービス利用停止または退会通告を行います。

(5)健全な品質基準(UI/UX)

私たちは、より多くのカスタマーが安心して利用できる健全な出会いの場づくりを推進します。そのために、アプリ・サイト・広告上で使用されるビジュアルやワードに関しての品質基準を定め、不適切な写真や言葉は使用できない運用を推進します。

(6)利用者への啓蒙・注意喚起

私たちは、悪意をもった利用者による犯罪防止のための啓蒙活動を行います。利用経験が少ないカスタマーに対して「サービス利用ガイド」「防犯教育」を提供します。

(7)継続的なサービス改善

私たちは、常に安心・安全な婚活サービスを提供すべく、環境変化に応じた厳しい自主規制を設け、認証制度とともに運用します。

ネット婚活利用者には虚偽のプロフィールで不当に出会いを求めるユーザーも存在しました。中には既婚者や性別さえ分からない場合もあり問題視されていましたが、身分証明書やフェイスブック認証により悪意のあるユーザーを減少させることが出来ます。また、(6)利用者への啓蒙・注意喚起により利用経験の少ない人でもリテラシーを理解しつつ安心して使用することが可能になりました。
より安全に、そして使いやすいデザインを追求しネット婚活を利用したいすべての人が満足できるような仕組みづくりを心がけているようです。

ネット婚活がより安全な出会いに

様々な種類のマッチングアプリ

ネットでの婚活に持たれていたいかがわしさや不信感は企業努力や実際利用したユーザーからの指示によって解消され、インターネットで出会う時代へと変化を続けています。
近年では恋愛・結婚だけでなくビジネスや不動産・学業の場でもマッチングアプリが誕生し、潜在市場規模は年間約2兆6300億円とも言われています。日常生活では出会えない人と会える利点は色んな分野で利用されているのです。

アメリカではカップルの約34%がネット上での出会いで結婚に至っています。
日本ではサイト利用にまだ恥じらいを感じる方もいるようですが、ネット婚活への不信感
やアンダーグランドなイメージではなく、男女が交友関係を広げるために使用するカジュアルな印象へと変化していくことが予測されるでしょう。


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